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犬や猫の下痢・嘔吐について:原因と症状を徹底解説
- 2024.07.15 | ブログ
愛犬や愛猫が下痢や嘔吐をしていると、飼い主様としてはとても心配になりますよね。これらの症状の原因は、食べ過ぎやストレスだけではなく、中には重篤な病気が潜んでいる場合があります。
そこでこのページでは、犬や猫によくみられる下痢や嘔吐について、その原因や症状をわかりやすくご紹介します。
■目次
1.下痢の原因・症状
2.嘔吐の原因・症状
3.下痢と嘔吐が両方みられる原因
4.まとめ
下痢の原因・症状
下痢は急性か慢性かによって原因が異なります。なお、大腸炎も下痢の原因となりますが、今回は大腸炎については含まず解説します。
急性の下痢
・膵炎
原因:高脂肪食の摂取、肥満、遺伝的要因
症状:激しい腹痛、嘔吐、食欲不振
・副腎皮質機能低下症(アジソン病)
原因:自己免疫疾患、遺伝的要因
症状:食欲不振、元気消失、嘔吐
・肝疾患
原因:感染症、毒物摂取、代謝異常
症状:黄疸、食欲不振、嘔吐
・胆のう疾患
原因:胆石、胆のう炎、胆管閉塞、胆泥、胆嚢粘液嚢腫
症状:腹痛、嘔吐、黄疸、食欲不振
・腎疾患
原因:感染症、毒物摂取、慢性腎不全、急性腎不全
症状:頻尿、血尿、食欲不振、脱水
・糖尿病
原因:インスリン分泌不足、肥満、遺伝的要因
症状:頻尿、多飲、多食、体重減少
慢性下痢の主な原因
・膵外分泌不全
原因:膵臓の消化酵素不足、遺伝的要因
症状:体重減少、脂肪便、食欲不振
・腸管絨毛萎縮症
原因:食物アレルギー、自己免疫疾患
症状:栄養吸収不良、体重減少、食欲不振
・甲状腺機能亢進症(猫)
原因:加齢、食事内容、飼育環境
症状:食欲亢進、体重減少、頻脈、嘔吐
・蛋白漏出性腸症
原因:腸管から蛋白が漏出、腸炎、リンパ管拡張
症状:体重減少、浮腫、腹水
・過敏性腸症候群
原因:ストレス、食事の変化、腸の過敏反応
症状:軟便、腹痛
嘔吐の原因・症状
嘔吐も下痢と同様に急性か慢性かによって原因が異なります。なお、胃腸炎も嘔吐の原因となりますが、今回は胃腸炎については含まず解説します。
急性の嘔吐
・異物腸閉塞
原因:食べ物やおもちゃなどの異物の摂取
症状:激しい腹痛、食欲不振、便秘
・中毒
原因:毒物摂取(食物、植物、薬物、化学物質など)
症状:下痢、痙攣
・前庭疾患
原因:内耳や脳幹の異常
症状:平衡感覚の異常、眼振、斜頸(首が斜めに傾くこと)
・腹膜炎
原因:腹部感染症、外傷
症状:腹部膨満、発熱、腹痛、食欲不振
・子宮蓄膿症
原因:子宮内に膿が溜まる、ホルモン異常
症状:食欲不振、腹部膨満、多飲多尿、陰部からの排膿
・その他:副腎皮質機能低下症、糖尿病、肝疾患、膵炎など
また、嘔吐ではありませんが、胃拡張胃捻転(ガスなどによって胃がパンパンに膨らんだ後、胃がねじれてしまう病気)を引き起こすと吐こうとするのに吐くことができず、短時間でショック状態に陥り、命を落としてしまうケースもあります。
慢性の嘔吐
・腎不全
原因:慢性腎疾患、加齢
症状:多飲多尿、食欲不振、体重減少
・食事不耐症
原因:特定の食物に対する消化不良
症状:下痢、皮膚のかゆみ
・食物アレルギー
原因:食物アレルゲンに対する過敏反応
症状:下痢、皮膚のかゆみ
・その他:肝疾患、膵炎など
下痢と嘔吐が両方みられる原因
上記の症状にもある通り、下痢と嘔吐の両方がみられる場合には、膵炎や胆のう疾患、肝疾患、副腎皮質機能低下症、子宮蓄膿症などが疑われます。
まとめ
犬や猫の下痢・嘔吐は原因が多岐にわたり、軽度のものから命にかかわるものまでさまざまです。中でも、以下の症状がみられる場合は、すぐに動物病院を受診してください。
・1日に何度も嘔吐・下痢をする、または2~3日以上続く
・血便や黒い便をする
・無気力にぐったりしている、食欲がない
・お腹が膨らんでいる、または痛がっている
・脱水症状がある(鼻が乾燥している、皮膚の弾力がないなど)
下痢・嘔吐のこと以外でも、ご不安な点があれば、どんな些細なことでもお気軽にご相談ください。
福岡市東区のみどりが丘動物病院
092-663-2225