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日常のお手入れ

🐾日常のお手入れで守る、わんちゃん・ねこちゃんの健康

わんちゃんやねこちゃんにとって、毎日のお手入れは「きれいにするため」だけではなく、「健康を守るため」にとても大切です。

ご自宅でできるケアも多いですが、ちょっとしたコツや注意点を知っているかどうかで、その効果は大きく変わります。

 

今回は、爪切り・耳掃除・目やに取り・肛門腺絞りの4つのお手入れについてご紹介します。

 

🐾 爪切り ― 関節炎や怪我を防ぐために

 

犬の爪は、「血管も一緒に伸びる」という特徴があり、この点がワンちゃんの爪切りの重要性のポイントとなります。

普段、固い地面の上をたくさん走る子は爪が自然に削れ、血管も伸びてこないのですが、室内で過ごす時間が長い子は、爪が削れる機会が少ないため、定期的に切ってあげる必要があります。

爪が伸びすぎると、地面に爪が当たって指が変形してしまうことがあるだけではなく、足首や膝、肘にまで負担がかかり、慢性的な関節トラブルの原因になることがあります。

また、爪が折れてしまうと出血や強い痛みを引き起こしてしまいます。

当院では、爪が根元から折れてしまった仔が月1頭はご来院します。処置にも強い痛みを伴うため、鎮静下で処置を行うことが多いです。

そのような苦痛を避けてあげたいという思いから、当院では、関節炎や怪我の予防目的のためのしっかりと爪切りができるよう保定者と施術者の二人で爪切りを行っております。時々、久しぶりの爪切りで、爪と血管が伸びてしまった仔を見かけます。その時は飼い主様とご相談し、血管も一緒に短く切る場合もあります。痛みを伴うこともあり、胸が痛みますが、「その仔の将来のため」と思って行っております。もちろん、痛みの少ない方法で、専用の止血剤を使用して安全に行いますのでご安心ください。

その子の活動範囲や活動量に応じて、爪切りの頻度の差はありますが、おおよそ月1回を目安にしていただけますと、苦痛のない通常の爪切りが行えると思います。

 

🐾 耳掃除 ― 奥まで続く耳道のケア  

犬や猫の耳の中は、人と違って「垂直耳道」と「水平耳道」の2段構造になっています。

 

見える範囲だけを綿棒で触ると、耳道を傷つけたり、汚れを奥へ押し込んでしまうことがあります。

耳の中の状態は耳鏡(じきょう)で確認できます。

定期的にチェックを受けておくと、外耳炎や耳ダニ感染を早期に見つけることができます。

耳のトラブルを放置すると、バランス感覚をつかさどる「前庭(ぜんてい)」という器官に炎症が広がり、ふらつきや首の傾き(前庭疾患)、めまいから食欲不振・嘔吐を引き起こすこともあります。

耳掃除は“きれいにする”だけでなく、“重大な疾患から守る”ケアでもあるのです。

 

🐾 目やに取り ― 小さな炎症のサイン

 

目やにがこびりついたままだと、目頭の皮膚炎や角膜の傷の原因になります。

また、目頭の毛が眼球に触れていることで涙や目やにが増えることもあり、

その場合は定期的な毛抜きだけで改善することもあります。

当院ではシーズーなど目頭の毛が、目に入りやすい犬種では、定期的に目頭の毛を抜く処置を行っています。(内眼角の毛抜きと呼んでいます)痛みはほとんどなく、嫌がる仔がほとんどいませんので、チクチクする程度の痛みと思います。できる限り優しく、無理はしません。

もちろん、眼の病気が原因であれば治療が必要です。

「いつもより目やにが多い」「色が違う」と感じたときは早めにご相談ください。

 

🐾 肛門腺絞り ― 気づきにくいお尻のサイン

 

犬や猫の肛門には、4時と8時の位置に「肛門腺」という小さな袋があり、そこから強い臭いの液体がたまっています。

通常はうんちと一緒にその液は自然に排出されますが、詰まってしまうと破裂してしまうことがあります。

破裂の数週間〜数ヶ月前から不快感や痛みを感じていることが多いのですが、

飼い主さんが気づかないうちにお尻が腫れてしまうこともあります。

「お尻を床にこすりつける」「しっぽの付け根をよく気にする」などのサインがあれば、早めにチェックを。

定期的に肛門腺を絞ってあげることで、破裂を防ぐことができます。

「絞って出なければ、溜まっていない」と安易に考えず、『詰まっていて出ないのかも』と思うことが大切です。直腸検査でしっかり診てみましょう。さすがに皆嫌がりますが、僕の人差し指よりウンチの方が太いと思いますし、潤滑炎症止めを塗り行いますので、痛みはないはずです。丁寧に触診いたします。

破裂して、痛い思いをするよりずっと良いと思います。

 

🩺まとめ ― お手入れは「健康チェック」の時間猫に必要なお手入れ総まとめ!手順と頻度を詳細に

 

お手入れは、単なる“美容”ではなく、病気の予防・早期発見にもつながる大切なケアと考えております。そのため、十分な観察やお手入れが、安全にかつ極力負担が少なく行えるよう、当院では必ず保定者と施術者の二人でお手入れを行っております。

「怖くて自分ではできない」「嫌がってしまう」と感じる場合も、お気軽にスタッフにご相談ください。

その仔に合った方法で、優しく丁寧にサポートいたします。