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犬と猫の体表腫瘤について

犬と猫の体の表面に「しこり」ができることがあります。それはもしかしたら、体表腫瘤と呼ばれるものかもしれません。すぐに健康に悪影響を与えることのないものもありますが、中には命に関わるものも存在するため注意が必要です。

 

このページでは、犬と猫の体表腫瘤について、その原因や症状、治療方法についてご紹介します。

 

 

■目次
1.犬と猫の体表腫瘤の原因と種類
2.診断方法
3.治療方法
4.予防方法
5.まとめ

 

犬と猫の体表腫瘤の原因と種類

体表腫瘤の発生は、遺伝的要因、環境要因(例:紫外線への露出)、ウイルス感染、特定の化学物質への曝露など、多くの要因によって引き起こされます。また、犬や猫の体表にできる腫瘤には、良性腫瘍悪性腫瘍があります。

 

1.良性腫瘍

脂肪腫
脂肪細胞から成る良性腫瘍で、中高齢の犬によく見られます。ほとんどが無症状で、明確な原因は不明ですが、加齢が関連するとされています。

 

乳頭腫
乳頭腫ウイルスによって引き起こされる良性の腫瘍で、皮膚の表面に小さな突起として現れます。他の犬との接触によって伝播することもありますが、腫瘤をぶつけたり、掻いたりすることで 無数に増え飼い主様を悩ませる場合があります。

 

組織球腫
若齢の犬においてみられることが多く、これらは赤みを帯びたり、急速にサイズが大きくなることもあります。多くは1〜3ヶ月で自然に小さくなることが一般的です。

 

2.悪性腫瘍

乳腺腫瘍
避妊していない中高齢のメス犬やメス猫においては、乳腺腫瘍への注意が必要です。猫の乳腺腫瘍は犬に比べて悪性である可能性が高く、転移も起こりやすいため早期発見と治療が重要です。

 

◼️乳腺腫瘍は避妊手術で病気にかかるリスクを避けることができます
当院の犬の避妊手術について
当院の猫の避妊手術について

 

肥満細胞腫
肥満細胞から成るがんで、皮膚の下にできる悪性腫瘍です。触ると痛みを伴うことがあり、遺伝的要因や炎症反応が関連している可能性があります。

 

軟部組織肉腫
脂肪肉腫(脂肪細胞から発生)、線維肉腫(線維組織から発生)、平滑筋肉腫(平滑筋細胞から発生)などの軟部組織肉腫は、再発しやすく、場合によっては他の体部位へ転移する可能性があります

 

診断方法

まずは、身体検査で 腫瘤の位置、サイズ、形状、硬さなどを評価します。その後、注射用の針を刺し、腫瘤の細胞を観察する細胞診または、切除した腫瘤の組織を調べる病理組織検査を行います。

 

針生検は無麻酔下でも行えますが、できものの種類によってはうまく細胞が取れなかったり、病変の全体像が見えないため、確定診断には病理検査が必要になることもあります。
病理組織検査は、病変の全体像が把握できるため、正確な診断が可能ですが麻酔リスクなどもあるため術前検査が必要です。

 

治療方法

当院では、大半の体表腫瘤を局所麻酔と鎮静剤を用いて切除することが可能です。重度の癒着がなければ、麻酔を必要としないケースもございます。また、手術後はその日のうちにお帰りいただけます。

 

合わせて病理検査も実施しており、診断後には「早期に手術して良かった」「良性だったので安心した」といったお声もいただきます。

 

予防方法

体表腫瘤は予防が難しいのがほとんどですが、定期的に健康検査を受け、早期に発見し早期に治療を開始することが重要です。
また、普段から犬や猫の体に触れ、しこりがないか、皮膚の変化はないかを確認することも大切です。小さくても気になるしこりを見つけた場合、できるだけ早く動物病院を受診しましょう。

 

まとめ

体表腫瘤には、良性と悪性があります。特に悪性腫瘍の場合は転移することもあるため、早期発見と早期治療が重要です。定期的な健康検査と、日頃からスキンシップをとって些細な変化も早めに気付いてあげられるようにしましょう。

 

福岡市東区のみどりが丘動物病院
092-663-2225